柊は驚き手を引っ込める。
 針らしきものが刺さった様だ。

 「おお、此れも効かないのか・・・。
  本当に君は何者だ?」

 「またかよ!?
  人の体を実験道具にしてるんじゃねえ!」

 「まあまあ、効かなかったんだし。」

 「効いてたら死んでんだろうがお前の言い分だと!」

 「とりあえず座りなよ柊、アシロ。
  話なら酒のんでしな。」

 「了解♪」

 「姐貴・・・・・・冷静過ぎんだろ俺殺され掛けたのに・・・。」



 今入り三杯・・・、ではないが三杯程飲んだ所でアシロは柊をじっと見た。

 「・・・・・・何だ?」

 「本当に不思議だね君は。
  其の様子ならアルコールも効かない様だ。」

 「ああ、酒は好きだが酔いはしねえんだ。」

 「アルコールも毒っちゃ毒だからね。
  ・・・・・・何かそういう能力でも持ってるの?」

 「いや?唯の体質だろ。」

 「(体質であの毒が効かないなんて有り得ないと思うんだけどな・・・。)」

 「何か何時も以上にぶすっとしてるねえ柊、どうかした?」

 「そりゃ3回も殺され掛けたらぶすっともなるだろ・・・。」

 「効かなかったんだから良いじゃないか。」

 「良いわけねえだろ。
  其れが『若き天才魔道科学者』のやる事かよ・・・。
  いや、『世界三大恐女:ケルベロス』だからこそか。」

 「あら、私の事知っていたの?」

 「余りにも有名だ。
  だが有名だからって良いもんじゃねえぞ?」

 柊は既に食した焼き鳥串の一本を手に取った。