「まあまあ、頼りにしてる・・・・・・ん?」

 裏路地の静寂に響く足音。
 どうやら待ち人が来たらしい。

 やがて足音が止まると暖簾が上げられた。

 「久し振りだね零子、会いたかった。」

 現れたのは女性だ。

 「久し振りねアシロ、大きくなったわねえ・・・。」

 「そういう零子は変わらないけどね。」

 「うちは種族が種族だから。」

 二人は言いやらぬうちに熱いハグを交わした。
 心友というのは本当らしい。

 「おや、君は・・・。」

 「またお前か・・・。」

 「其れは此方の台詞だよ、しかし良く会うね。」

 「偶然だがな。」

 初めは悪行都市の市中で、二回目は学校で、そして最後は人気無い屋台で。
 傍目からすると凄い偶然で有る。

 「そういえば自己紹介がまだだったね。
  私の名はアシロ・ルクレシア。
  魔法科学の研究者だ。」

 「・・・・・・北上神 柊だ。
  青院で学生やってる。」

 手を出されたのでアシロの手を握り握手をした。



 ぷすっ



 「!?」