それから暫く何も話さず雲を見ていた二人だが・・・、

 「お前等こんな所にいやがったのか。」

 声を掛けられ起き上がった。

 「袴田か、何しに来た?」

 柊が聞く。

 「袴田先生と呼べ先生と、此処は学校だぞ?」

 「必要無い、今お前に教えてもらっている事は何一つ無いからな。
  授業中や指導中は袴田教員と呼んでいるだろう?」

 「っかー!可愛くねえ。」

 「それで先生、何か御用ですか?」

 問答に飽きたのか虎が聞いた。

 「ああ、北上神お前また問題起こしただろ。
  聞いてやるから職員室で聞かせろや。」

 北上神とは柊の事らしい。

 「面倒臭えな・・・・・・、行くか。」

 「相変わらずこういう時だけは聞き分け良いな。」

 「教員の言う事聞かねえと卒業出来ねえだろ?」

 「ま、そりゃそうだな。
  只でさえお前休みまくるんで単位やばいしな。」

 「先生、僕は?」

 「ああ、東浪見(とらみ)は別に良いぞ?
  もう何も無いし好きにしろや。」

 「はい。」

 「じゃあ行くぞ北上神。」

 「はいはい・・・。」