第3話 “邂逅〜教授と学生〜”


 青春満喫学院。
 レヴ・トーア大陸の中心に有る世界最大の学校。
 数え切れない程の学科が有り、基本年齢に応じて小中高大院と分かれている。
 今は大学前期の始業式が終わったところだ。

 人込みで賑わう講堂及び学内。
 そんな中男は空を見上げ溜息を付いた。

 雲になりたいとか鳥になりたいとか言う奴の気が知れない。
 あんな自由に動けない状態の何処が一体良いのやら・・・。

 「ああ、ここにいたんだ?」

 扉が開き、人が入って来る。

 「虎か・・・。」

 「好きだねえ屋上。」

 虎と呼ばれた青年は男に言った。

 「まあな、落ち着く。
  それにここが俺等の溜まり場だろ?」

 「それは柊(しゅう)が此処が好きだからさ。」

 「そうか。」

 柊と呼ばれた男が返事をする。

 虎は転がって移動し、柊の近くで止まった。
 彼は声こそ普通だが、恐ろしく太っている。
 余りにもパンパンな為、転がった方が早いのだ。

 「椿と榎原は?」

 「椿は学年トップだから今先生達と話してるよ。
  よっちゃんはその付き添いだね。」

 「榎原は学年ビリなのにな。」

 「だね、まあビリから二番目は僕なんだけど。」

 二人は空を見上げ笑った。
 どうやらこの二人は親友らしい。
 名前が出た二人もそうなのだろうか。