「・・・い、いったい、なぜここに・・・・・・!?」

 「私ね、今朝から貴女達をずう〜っと探してたのよ?
  ・・・・・・・・・・・・・・・何でだと思う?」

 聖子はにっこり笑って言った。

 雷太は何かに気付いたらしく手をポンと合わせる。

 「ああ、そうか!
  聖子ちゃんの話してた『今朝から探してた人』って牛魔王共の事だったのか。
  ・・・・・・・・・・・・でも一体またなんで?」

 と、ここで聖子は牛魔王を見据えたまま少し移動した。
 ちょうど雷太に背を向ける形になり、雷太は聖子の表情が見えない。

 「・・・・・・・・・?」

 「そ、そりゃまたどうして・・・。
  ・・・・・・な!?てめえら!?」

 牛魔王は部下の牛魔達に目配せをした。

 「は、はい〜!そうですね!!」

 「・・・・・・・ねえ、私言ったわよね?
  雷太様が『雷太様親衛隊』を好意的にとってくれる様に、
  大勢で押しかけるのはもちろん、襲うなんて以ての外だって・・・。
  なのに今朝全員いなくなってるんだもん・・・・・・まさかとは思ったけど・・・。
  ねえ・・・・・・私ちゃんと・・・・・・・・・言・っ・た・わ・よ・ね・!」

 「ひ、ひいぃぃい!お、お助け〜!!」

 「・・・・・・・・・・・・・・・。
  ねえ、『雷太様親衛隊隊律』の第一条と第二条を言ってみて?」

 「?・・・・・・い、いえ、覚えてないっす・・・。」

 「そう、じゃあ私が言ってあげるわ。
  『隊律第一条:此れより以下の条文に違反した者は『斬処刑』とする。』
  『隊律第二条:余程理不尽な事が無い限り隊長に逆らってはならない。』・・・・・・。」

 「うぎゃああああ!!!こ、殺さないで〜!!」

 「ってちょっと待て―――!!?
  俺の親衛隊ってそんなに色々と重いの!?」