「グヒッぐひひっ・・・!
  つ、ついに龍 雷太とデートできる・・・。」

 「承諾してねー!?
  ぎゃああああああああ!!?」



 トントンッ



 誰かが牛魔王の肩を軽く叩いた。
 同時に他の牛魔共のざわめきや笑い声がぴたりと止む。

 「あ!?なんだようるせーな!今取り込んでんだよ!!」

 牛魔王は後ろも見ずにその手を払った。

 「・・・さて・・・・・・グひっ!」

 「ひぃー!?
  (・・・・・・し、仕方ない。上級魔法喰らわそう・・・。
   多分こいつそれぐらいじゃ死なない気がするし・・・・・・。)」



 トントンッ



 「あーったくクソがあ!!
  状況を見ろ状況を!デートだぞデート!!」

 牛魔王はまたも後ろを見ずに手を乱暴に払った。

 「・・・・・・ぼ、ボスぅ・・・う、後ろ・・・見たほうがいいですぜ・・・。」

 「・・・・・・・・・終わった・・・。」

 「・・・・・・殺される・・・。」

 「な、なんだなんだ?」

 雷太は目をぱちくりした。
 牛魔軍団の殆どが今や涙目になり、震えている。