軽い地震のごとく地面が揺れる。

 ちなみに興奮しすぎているのか雷太しか見えていないようで、
 すぐ隣にいる聖子には何も反応を示さない。

 そして牛魔王は雷太の目の前で立ち止まった。

 《男として身長差が痛い。》

 「てめえら!ダーリンがいたぞ!!
  全員集合しやがれっ!!!」

 「誰がダーリンだ!
  ってか全員来んのかよ!?」

 牛魔王の声を聞きつけて牛魔共が次々にやって来た。
 5m以上あるクロの家の壁を軽々と飛び越えている。

 《に、人間じゃねえ・・・・・・。》

 牛魔軍団は総勢26人になった。

 「ちょっと待ておい!?
  増えてるぞ!?さっきは20人だったじゃねーか!?」

 牛魔は更に仲間を呼んだ。

 「っておいいぃぃぃい!?
  こいつらがこれ以上増えるのか!!?」

 牛魔軍団は総勢86人になった。

 「いや増えすぎだろ!?」

 そんな雷太の突っ込みを無視して牛魔共は迫ってくる。
 辺り一面牛魔だらけ、正に地獄絵図だ・・・・・・。

 「ぐひひ・・・さあ雷太さん・・・・・・。
  あたしたちとおデートを・・・。ぐひヒグひひヒ―――!!!」

 「ぎゃあああああああ!?
  まだ言ってんのかよー!?
  ってか何だこの状況!?俺ほとんど死にかけてないかー!!?」