「いやちょっと待てー!?
  俺ちゃんと丁寧に断っただろ!?
  ってか近づいて来んな!話聞けっ!」

 「でぇと!でぇと!」

 「いや何言ってんだお前等っ!!?
  ・・・・・・あーもう魔力溜めといてよかった〜!
  移動魔法『空間少移動(リトスペース・ムーヴ(littlespace move))』!!」」



 シュッ・・・



 雷太はクロの家の庭の壁際に瞬間移動した。
 つまり、牛魔共と一つ壁を挟んだ位置だ。
 この魔法は消費魔力が少なく便利なんだが、
 本当に少し、行けて数メートルなのが玉に瑕だ。

 雷太はそっと壁に近づき耳をすませる。

 突然消えた雷太に驚いた牛魔共が話しているようだ。

 「ダーリン消えちゃった。」

 「まずったね・・・。」

 「やはり、流石は第一級魔導士という所ですかね。」

 「ボス、どうします?
  ・・・・・・・・・・・・ぼ、ボス・・・?」

 「くそがあああああああ!!!!!!!!!!」

 辺り一面に実に恐ろしい声が響いた。