「っておまえら俺を無視してんじゃねえ!!」

 ぽかーんと見ていた男が喚く。

 《まだいたのかよ名無し男・・・。》

 「な、名無しでもキャラはキャラだ!」

 《名前無いキャラって一発キャラなんだよね。》

 「!」

 「うっさいわね、さっさと消えなさいよ。」

 「!?」

 「どうせ本を破るかなんかしてシュルブ怒らせたんでしょ?
  だったらあんたが悪いんじゃない。」

 「い、いや・・・・・・それはそうだが・・・。
  ってか何だおまえさっきから偉そうに!
  俺は男だろうが女だろうが容赦はしね――――――

 男が再び拳を振り上げ威嚇を――――――

 「あーもううるさい!」

 ・・・・・・クリーンヒット。

 ・・・・・・・・・ミルフィの拳が。

 男はあっけなくその場に倒れた・・・。

 「何も殴らなくても・・・。」

 「良いじゃない、こういう馬鹿はこうしないと消えないんだから。」

 動かない男を、薄紫髪の少女が棒でつついている。

 「お、おい!大丈夫か!?」

 仲間と思われる男達が駆けて来た。
 雷太はわざと通したらしい。

 「てめえ!一体何をす――――――

 「あ゛?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
  すいませんでしたー!!」

 ミルフィに恐怖した野郎共は、
 倒れた男を抱え、さっさと逃げていった。

 《名無し男達・・・・・・哀れ。》