とりあえず本を棚に戻す。
 本当は借りるつもりだったがあれ程鮮明に
 過去の再現を見れたのでもう必要ないだろう。

 もう今日は図書館に用はない。
 雷太は帰る事にした。

 と、どこかでまだ騒ぎ声がしている。
 図書館員は一体何をやっているのだろう?

 「しょうがねえなあ・・・。」

 雷太は注意に行く事にした。
 公共の場図書館で騒ぐのは非常識な事だからだ。

 《みんな!小猿が生まれて初めて良い事するよ!》

 「やかましい!初めてじゃねーよ!」

 と、雷太が注意に行こうとすると、後ろから声を掛けられた。

 「大丈夫ですよ龍 雷太さん、僕が注意しますので。」

 「ん?」

 雷太が振り向くと深々緑色の髪をした青年が立っていた。

 「・・・・・・君は?」

 「僕はシュルブといいます。
  この図書館の館員の一人です。」

 受付や中では見なかった。
 恐らく図書倉庫にでもいたのだろう。

 大方、見かねた仲間が彼に救援を頼んだというところだろうか。