「黙って体力を回復させろ。
  でないと魔王に勝てないぞ・・・。」

 「だってそうだろうがよっ!!!」

 弦を切ったように男が激しく立ち上がった。

 「あんな化け物に勝てるわけねーだろ!!
  お前も見ただろ一瞬で仲間が消されるのをよ!!」

 御互いに首元をつかみ合う。

 「しかし、我々が諦めれば・・・、
  ・・・・・・・・・世界が滅ぶのだ!!」

 「やめないか!!」

 角を二本持つ魔族が制止した。

 「俺達では敵わない事はもう誰でも分かる・・・。
  だからこそ魔王を足止めし耐えるんだ・・・。
  ・・・・・・ファントムとブラックストームが来るまで・・・。」

 二人の人間はうなだれ再び座る。

 「来る・・・かな・・・・・・?」

 「どういう意味だ?」

 「だってもう魔王が現れて長いだろ・・・?
  未だに姿を見せないっておかしくねーか?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「興味すらねえのか・・・、
  魔王に真っ先に殺されちまったのか・・・、
  下手をすると・・・・・・・・・、
  ファントムが魔王だったりしてな・・・。」

 「馬鹿な!?」

 うなだれていた者皆が一斉に彼を見た。