「だって魔王の顔誰も見た事無いだろ・・・?
  いっつも隠れて攻撃してきやがるからな・・・。
  あんなに強いやつ見た事ねえし・・・。」

 雷太ははっとした。
 魔王が姿を見せたあの時の人々は皆死んでいるのだ。

 「しかし・・・、ファントムは刀の使い手と聞く・・・。
  闘い方が違う故恐らく無い・・・・・・だろう。」

 「まあな・・・・・・悪い・・・。」

 再び皆うなだれ、沈黙が訪れる。

 と、突如扉が開き人が転がり込んできた。

 「大変だ〜!!!」

 皆驚いて彼を凝視する。
 勢い余って転げた男を二本角の魔族が支え起こした。

 「どうした?何があった!?
  まさか・・・・・・魔王の襲撃か!!?」

 その言葉に皆の顔がこわばった。

 が、男は逆に笑い始めた。

 「魔王・・・・・・?
  ははははは、あーはっはっはっはっは!!」

 「おい、気でも狂ったのか!?」

 「違う違う・・・!
  全く真逆だったからさ・・・。
  ひい〜、やったぜ、あっはっはっはっはっは!!」

 「真逆・・・・・・まさか!?」

 「そう・・・、ついに来たんだ!
  俺達の唯一の希望の星・・・。
  ファントムとブラックストームが!!」

 雷太は驚愕した。

 「歴史上最も偉大なる英雄が・・・、
  ・・・・・・・・・ここに来る・・・?」



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