「・・・・・・・・・ああ・・・、
  だから何も干渉出来ないのか・・・。」

 『そうです。
  貴方は知る事を望んだ。
  故に今約2000年前の再現映像を見せています。
  ただ貴方が今見たように魔王と世界の戦いは凄惨なものです。
  それでも貴方はまだ見るのですね?知りたいのですね?』

 雷太は少し考えた。

 が、今更引くつもりも無い。
 最も有名な伝説、詳しく知れるなら尚更だ。

 「ああ、俺は知りたい。」

 『分かりました。
  それでは、御楽しみ下さい。』

 周りの景色がゆがんでいく。

 と、建物の中に移動したようだ。

 「流石にずっと見続けるわけにもいかないからな・・・。
  時間も多分変わったな・・・、どれぐらい進んだんだろ・・・・・・?」

 建物の中には多くの人がいる。

 ただ、活気などは一切感じられない。

 皆疲れた顔をしており、うつむいている。

 「ちくしょう・・・。」

 誰かがぽつりとつぶやいた。

 「何なんだよあの魔王ってやつは・・・。」

 ぶつぶつと呪いの言葉をつぶやいている。