大分歩き、城も近くなってきた。

 まだ入り口には遠いが、城ははっきりと見える。

 西洋風の立派な城だ。

 「・・・・・・・・・あ、あれ?」

 雷太は思わず立ち止まった。

 「この城・・・・・・・・・どこかで・・・?」

 何故かその城に見覚えがある。
 しかしどうも思い出せない・・・。

 「う〜ん・・・・・・。」

 雷太は頭を捻るがどうも思い出せない。

 《無理無理、所詮は小猿だぜ!》

 「うるせえ!
  ・・・・・・・・・・・・ん?」

 雷太は地が揺れているのに気がついた。
 しかもその揺れは次第に大きくなっていく。

 「地震・・・・・・じゃないな。
  何だ、一体・・・?・・・・・・!!」

 遠くで土煙がもうもうと舞っている。

 「なんだありゃあ!?」

 人だ。
 大勢の人が各々の武器を持ち、
 雷太が歩いてきた方向から怒号を上げ駆けてくる。

 しかも速い、このままでは数分でここに着くだろう。

 逃げるのは余り趣味ではない。

 「何で俺を襲ってくるのかは分からないけど・・・、
  襲ってくるからには返り討ちにさせてもらうぜ!」

 雷太は魔力を手に集中する。