懸賞金も手頃だし特に強いっちゅう武勇伝も聞かねえ。
 『第一級魔道士の王』とか言われてるが、銃一撃で終わるべさ。

 それから数日、おらはここにいる。
 誰か知んねえが誰かの家の屋根。

 龍 雷太が家を出ればすぐ見つけられる。

 数日家に帰ってながったみでえだが、漸くチャンスが回ってきだ。



 「おっ!やっと出ただな!?」

 思わず声にで、口をふさぐ。
 今気付かれたらおしまいだべ、腐っても相手は超人だ。
 ・・・・・・・・・それにしてもおら口が臭いな・・・帰ったら歯磨きするかあ。

 既に銃身は三脚にセットしてある。

 あとはスコープ見て撃つだけだ、それだけだべ。

 「・・・・・・・・・・・・・・・何をしている・・・・・・。」

 「おわあっ!?」

 突然誰かの声が聞こえたんでおらは飛び跳ねた。
 し、心臓が止まるかと思っただ・・・・・・少なくとも踊ったべ。

 振り返ったら後ろに男がいだ。
 全身黒尽くめで、其の上『半サングラス』を左目に掛けた変な男だ。

 「お、おめえ誰だ!?あああIFPか!?」

 IFPだったら終わりだ。
 人様の屋根の上から銃を構えてたとか即刻投獄だべさ。

 「・・・・・・・・・・・・違う・・・。」

 違う?IFPじゃないだか!?
 おらは凄く安心してちょっと腹が立ったけど、直ぐに思い直した。