「どうですぅ?」

 「すっげえ!このピコハン凄いな〜!
  寝起きも眠気すっきりどっか行ってるし。
  時雨ちゃんの彼氏って発明家なの?」

 「いえ〜、そういうわけじゃあないんですけどぉ〜、
  たま〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜にかれとあえて
  でーとしたときに〜、いろいろやってくれるんですよ〜♪
  わたしがさびしくないようにだそうです〜♪」

 「へぇ〜、愛されてるんだねえ。」

 「えへへ〜♡」

 「ちょっとそれ貸してみてくれる?」

 「え?あ、はぁい。どうぞぉ〜。」

 雷太はピコハンを手に取ると、
 バレないようにこっそりと魔力を当て調べ始めた。

 「ありがと。・・・・・・へぇ、流石ピコハン軽いなあ。
  (魔力は込められていないみたいだな・・・。って事は能力か特殊能力製・・・?
   という事は時雨ちゃんの彼氏は、時雨ちゃんは『すっっっごい強いんです〜♡』
   って言ってるけど実際は大した事無いのかな・・・・・・?)
  ・・・・・・もういいや、ありがとう。」

 「どうもぉ〜♪ちょうしょくはできていますけど、もうたべますぅ〜?」

 「あ、うん。着替えたら下に来るよ。」



 やがて雷太は着替え、上からいつもの大きめな上着を羽織った。
 そして赤いはちまきを外さずに締めなおし、大剣『シルヴァトゥース』を背に差した。
 実はこの剣、結構有名らしいのだがその説明は今度するとしよう。



 雷太は時雨の作った朝食をかきこむ。

 実際時雨の料理の腕はぴか一だ。
 シースフィールド姉妹は家政婦業界では有名らしい。

 やがて雷太が朝食を食べ終わる頃、携帯電話が鳴った。
 どうやらクロが掛けてきたらしい。

 「・・・・・・はい?」

 『雷太か俺だ。飯は食ったか?』

 「ああ、もう食い終わるところだぜ?」

 《飯食いながら電話とか行儀の悪いやつだ。》

 そ、それは言うな・・・・・・。