数十分後、氷雨に案内されてクロが待つ書斎へ着いた。

 《数十分・・・?・・・・・・また遅刻か小猿・・・。
  ってかあの状況でどうやって遅刻を・・・・・・?》

 それは謎だ。

 書斎には多くの者が集まっていた。

 波切や山崎以外にクロや新太郎は当然ながらも、
 ヴァン、デューク、健、建太郎、啓太、霞、D・J、
 更にはなんと時雨までいる。

 「あれ?時雨ちゃんも・・・?」

 「はい〜、なにか『かおあわせ』とかで
   わたしもよばれたんですよ〜♪」

 「へえ〜。」

 「まあそういうわけだ。
  一番隊隊長 波切 八郎。
  八番隊隊長 山崎 達次。
  そして残りの俺と直接今関わっている面々。
  ・・・・・・・・・・・・・・・後は適当にやっておけ。」

 学生の集会ではないのだ。
 仲良くしろなんて事は言わない。
 むしろ組織としては顔合わせ自体が珍しい部類に入るだろう。

 《適当な組織は適当だからな。》

 波切と山崎に皆が挨拶を交わす。
 デューク達とは初対面だったようだ。

 「そういえば今日は『弥生さん』はいらしてないんですか?」

 氷雨が波切に聞いた。

 《氷雨は流石に前から二人に会っていたらしい。》