「これを『ブレイド』と『ジャン』に届ければ良いんだな?」

 「ああ、あいつらは大体の住居位置しか分からないしな。
  本当は『伝次郎』に頼むべきなのかもしれないが、
  あいつはどうもな・・・・・・。引き受けてくれるか?」

 「もちろんだ。・・・じゃあ私はもう行くぞ?
  雷太や『あいつら』に会いたいのはやまやまだがな。」

 「悪いな、『黒霧』。」

 「気にするな。参謀として当然の事だ。」

 そう言うと黒霧と呼ばれた女性は一瞬で消えた。

 「・・・・・・参謀は手紙を届けないと思うがな。」

 そう言い、席を立ってクロは机の方の椅子へ座った。

 と、同時に部屋が静かにノックされる。

 「クロさん?『波切』さん達をお連れしました。」

 氷雨だ。
 今の会話の『あいつら』の事らしい。

 「ああ、通してくれ。」

 扉が開けられ、二人の男が入ってきた。

 一人は黒髪の、左腰に黒い一刀を差した男、
 もう一人は金髪の、右腰に白い一刀を差した左頬に刀傷がある男だ。

 氷雨が一礼して扉を閉め去った後、二人はクロに深く会釈した。

 「御久方振りにて候。御元気副うで何由りです。」

 黒髪の男が実に礼儀正しく言った。