「・・・え?誰ですか?」

 「あたしだよ。」

 「・・・誰もいませんけど?」

 雷太は石田に言う。

 「いや・・・・・・ちゃんとまた下にいらっしゃる――――――

 「・・・・・・『猫スクリュー』!!」

 「ぐはっ・・・!!」

 突然、白黒毛の猫が雷太の腹に頭から突っ込んできた。
 しかも今度は回転付きだ。
 雷太は勢いですっ転ぶ。

 「全く・・・・・・レディーを粗末にするもんじゃないよ。」

 「あいたたた・・・、またかよアズキさん・・・・・・。」

 御存知、立ってしゃべれる猫アズキだ。

 「またかよじゃないよ、せっかく会いに来てやったんだ。
  さっさと席に案内して相手しな。」

 「はいはい・・・・・・。」

 「はいは一回でいいんだよ。」

 「はい・・・・・・・・・。」

 そして二人は奥のテーブルに座った。
 もちろん、アズキは彼女専用の椅子だ。

 《一体どこのホストクラブだよここは・・・・・・。》

 ウザ☆太郎が復活した。

 《ウザ☆太郎!?・・・いや・・・戦闘だったからな・・・・・・。》



 やがて、石田が雷太にコーヒー。
 アズキに猫缶とミルクを持ってきた。
 そしていつも通り奥に引っ込む。

 「聞いたよ・・・・・・、またやらかしたんだって?」

 「・・・・・・?やらかしたって?」

 「PSYの事だよ。大自然の王と戦ったとか?」

 「!?」

 雷太は驚いて誤飲したコーヒーで咳き込んだ。