「何でアズキさん知ってんだよ・・・?
  ・・・・・・一応だけど組織関係の事は極秘事項のはずだぜ?」

 「あたしには色々情報網があるんだよ。
  ・・・・・・・・・・・・そのせいかい?今日妙に元気がないのは。」

 「!」

 「何だい、それで隠していたつもりかい?
  新の坊やなら顔を一目見ただけで分かるさ。」

 確かに、傍目から見るといつもと変わらないが、
 実は今日の雷太は元気がない。
 やはり、先日のエイジニアス達との戦闘が堪えたのであろう。

 「あたしに言える事かい?
  なんなら、聞いてやるよ?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・そうかい、言えないかい・・・。」

 アズキはため息をついた。

 「・・・・・・ごめん・・・。」

 「・・・しょうがないだね雷太坊や、
  ・・・・・・・・・・・・・・・じゃ、付いてきな!」

 「・・・・・・へ!?」

 アズキはひらりと跳び、入り口へ向かった。

 「何してんだい?ついてきな。
  あたしが良いところ連れてってやるよ。」

 「え!?・・・いや、まだ業務時間・・・。」

 「優様、ちょいとこいつ借りてくよ?」

 アズキは珍しく表に出てきた石田に声を掛けた。

 《優様!??》

 「ああ、良いですよアズキさん。」

 相変わらずミニPC片手に石田が返した。

 《石田・・・・・・ちょっとは働けよ・・・。》

 「じゃあ、ついといで雷太!」

 「お、おう・・・。」

 雷太は慌ててニフェに制服を預け、アズキの後を追いかけて店を出た。



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