「う・・・腕を上げたな・・・新太郎・・・。」

 「・・・お前こそな・・・・・・雷太・・・。」

 2人はうつぶせにドサッと倒れた。

 「・・・でもいつか殺す。」

 2人は同時に言った。



 彼の名は『乾 新太郎』。
 雷太と同じ19歳で、生まれた時からずっと一緒にいる幼なじみだ。
 身長170.5cmの武闘家で、結構強いらしく、
 雷太と同じ組織『ブラックメン』の副総長の座についている。
 どう見ても雷太と彼は親友なのだが、当の本人達は、人前ではそれを否定している。



 ふいに部屋のドアが開いた。

 「・・・・・・早速やりやがったか・・・。」

 入ってきたのはクロだ。

 「・・・あ、クロ!」

 雷太は飛び起きた。口から血が容赦なく出ている。

 「クロさん・・・・・・早かったですね。」

 こちらは同じように口を紅く染めた新太郎だ。

 「ああ、・・・・・・床の血は拭いておけよお前ら。・・・・・・氷雨は手伝わなくていいからな。」

 「はい。」

 3人は同時に言った。

 雷太と新太郎は立ち上がった。ある程度はもう回復したようだ。

 「ら〜いたっ。」

 ふいに、雷太の後ろから声がした。
 彼の後ろには先ほどの背の高い男が立っている。

 「!・・・ああ、ヴァンさんも久し振ぶふぉあっ!!?」

 雷太が後ろを向いた途端に、背の高い男に激しく抱きつかれた。

 「雷ぷ〜、会いたかったよ〜!」

 「・・・・・・ぶはっ!・・・ヴァンさんも相変わらずで・・・・・・?・・・。
  ・・・!?・・・ギャ――!痛い痛いヴァンさん!きつく抱きしめすぎ〜!!」

 「ずっと待たせた罰〜〜。」



 彼の名は『ヴァン・V・A』。
 金髪の、見た目は20代の男で、左腕全体に何故か包帯を巻いている。
 身長196cm、クロの友人の武闘家で新太郎の師でもあり、相当に強い。
 ブラックメンには属していないが、普通に組織単位の行動に参加してくれている。
 ・・・ただ・・・・・・彼の心は未だに少年らしく、年齢に似合わない行動をとることが多い。
 つい今の行動然りである。