病室、寝ているのはセン。
余りに暇なので独り言を言う。
「今回は負けましたが・・・・・・きっと次は・・・。
次こそは炎を克服してみせます・・・・・・・・・。」
「ざ・・・んね・・・・・・んだけどそ・・・れは・・・・・・ないわ・・・。」
センしかいない病室に声が響いた。
「・・・誰ですか・・・・・・!?」
上半身を素早く起こし身構える。
すると、目の前の壁をすり抜けて声の主が現われた。
純白だがぼろぼろの死装束を着、大鎌を持っている。
その髪もまた純白。目には濃い『くま』が掛かっている。
「・・・う、・・・ウインター・・・。」
センは息を呑んだ。
「うふ・・・ふ・・・。・・・救いに・・・来・・・・・・たわよ・・・。」
「・・・何故ですか・・・・・・!?」
彼女の言う救いとは死。
ウインターはセンを殺しに来たのだ。
「・・・・・・『王』が・・・あなたいらない・・・って・・・。
うふふ・・・。負けるような・・・や・・・・・・つは必・・・要ないって・・・・・・よ?」
「そんな・・・・・・・・・。」
「じ・・・・・・ゃあ・・・救ってあげる・・・・・・。」
「・・・・・・嫌です・・・!!」
センは身構えた。
「・・・僕はここで死にたくはありません・・・・・・!
殺されるぐらいなら、ここであなたを殺して逃げます・・・・・・・・・!!」
「・・・・・・うふ・・・・・・・・・ふ・・・。」
ウインターはゆっくりと近付いてくる。
「死んでください・・・・・・・・・!!」
ドシュッ・・・
剣状に研ぎ澄まし硬化したセンの右腕が、ウインターの豊かな胸を貫いた。
間違いなく心臓を貫通している。