ここはPSYの支部基地内部。

 先ほどの男と、真守、エイジニアスが向き合っている。
 センは怪我が酷いため病室だ。

 「なるほど・・・良く分かったよ。」

 威厳が篭った、ゆっくりとした声が発せられる。

 「ごめんなさいね、『光』(ひかり)。
  完全にはデータは取れなかったわ。
  ただ、間違いなく言えるのは私や貴方の敵じゃあないって事よ。」

 「いや、良いんだよ。
  正直私も予想外なんだ、エイジニアスがやられるとは・・・。
  ・・・・・・エイジニアス、何か言う事はあるかい?」

 始終拳を握り締めていたエイジニアスは、
 声を掛けられキッと『光』に顔を向けた。

 「もう一度・・・・・・チャンスをくれ。」

 「・・・・・・・・・・・・。」

 「次こそは・・・、必ずあの野郎をぶっ殺してやる!!
  だから頼む・・・・・・『光』!俺にチャンスをくれ!!」

 エイジニアスは頭を下げた。
 普段の彼からは想像も付かない事だ。
 よほど悔しいのだろう。

 「私からも、・・・・・・頼むわ・・・。
  エイジニアスがそう望むなら・・・・・・お願い・・・。」

 真守も一緒に頭を下げる。

 「真守・・・・・・お前・・・。」

 「・・・頭をあげなさい。」

 諭すように『光』は口を開いた。

 「・・・・・・分かった。
  私からだけでなく、『闇』からも頼んでみよう。
  私達で頼めば、きっと『王』も許してくれるはずだ。」

 「・・・済まん、『光』・・・・・・。
  次こそは必ずぶっ殺す!
  もちろんこの三人でだ・・・・・・・・・!」

 『光』は口に運んでいた紅茶を静かに置いた。

 「・・・・・・・・・悪いが、それは不可能だよ。」

 「・・・!?どういうことだ?」

 気付いたのか、真守がはっと息を呑んだ。

 「まさか・・・・・・!」

 「・・・不死神だ。」

 真守とエイジニアスの目がみるみる見開かれる。