「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 クロは静かに新しい煙草に火をつけた。

 ここはクロの家の書斎の一つ。

 部屋にはクロ一人。
 今ちょうど帰って来た二人に話を聞いたところだ。

 「・・・・・・PSYが・・・動いたか・・・。」

 世界で二番目に強いとされる組織が動いた。
 しかも、直接戦闘を仕掛ける形で。
 はっきり言って予想外だ。

 世界は動きが無いように見えて動いている。
 もしかしたら、ブラックメンはむしろ遅れているのかもしれない。

 そういう思いにさえ駆られる。

 クロはため息をついて紙にペンをはしらせた。

 そしてペンを置き携帯を手に取った。

 その紙にはこう書かれている。



 手を出してはならない組織:『D』、『機神』



 数回の呼び出し音の後、相手が出た。

 「俺だ。」

 落ち着いた声が帰ってくる。

 「・・・挨拶はいい。
  デイハード・ウィンスコットを出せ。」