雷太は魔力を集中する。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「めんどくせえなあ・・・。
  時は金なり。行くぜ?
  ・・・・・・光線砲(カノン・ヴェルム)」

 「!」



 ドキュゥン!!



 先程より数倍大きな光線がエイジニアスから放たれた。
 今度は手など上げず体から直接だ。

 放たれた光線は『非物理の薄鏡』どころか『魔力鋼壁』を破壊し消滅した。

 「がっ・・・・・・!!!」

 衝撃で雷太は吹っ飛び、砂地を滑って傷だらけになった。

 「まだ終わらねえよ・・・死にな。
  ・・・・・・光線(レイ)。」



 チュイン!!



 「ぐっ・・・がはっ・・・・・・!!」

 雷太の横腹を光線は貫通した。

 雷太は横腹を押さえ膝を突くが、一瞬で焼けたため血は出ない。

 エイジニアスは不敵に笑う。

 「ヴェルムは時速150km、レイは時速300km・・・。
  光線だからな、早さも半端じゃねえんだよ・・・・・・。」

 エイジニアスは雷太に左手を向けた。

 「三度目の詰みだな・・・・・・。
  ・・・・・・・・・死ね。・・・・・・光線砲(カノン・レ――――

 「やっと考え付いたぜ・・・お前の弱点・・・・・・。」

 「!?・・・・・・ああ?」

 雷太の言葉にエイジニアスは眉を上げ、腕を下げた。

 「俺に弱点だあ・・・?
  この光線の体に弱点なんかあるわけねーだろうが?」

 「・・・・・・・・・ある。」

 雷太はゆっくりと立ち上がった。
 腹は痛むが、そんな事は言っていられない。