《・・・・・・え!?新太郎って鋼鉄の塊砕けたの!?》

 いや、いくら新太郎でもまだそんな事は出来やしない。

 ・・・・・・・・・・・・では、何故・・・?

 「何故・・・・・・ですか・・・?」

 そう聞くセンの目は見開かれ、砕けた腕は・・・・・・。

 「・・・何故・・・・・・拳が燃えているんですか!?」

 砕けた腕は・・・・・・焼け焦げている・・・。
 そして新太郎の拳が・・・・・・燃えている。

 「情報では・・・あなたは能力を持っていないはず・・・・・・。」

 「ああそうだ。俺は能力なんて持ってねーよ。」

 センは何とか起き上がった。
 半分砕けた腕が再生しない。
 骨は炎が弱点、高温度ではぼろぼろになってしまう。

 「では何故・・・?・・・・・・まさか!??」

 「・・・・・・・そうだ・・・これは特殊能力だ・・・!」

 「馬鹿な・・・・・・・・・。」



 特殊能力・・・・・・能力ではない能力。
 所謂、『種族特有の能力』だ・・・・・・。
 ヴァンパイア族の飛行能力、龍族の火吹き能力など、
 体の構造では説明できない力。それこそが特殊能力。

 ちなみにいうと、特殊能力は才能さえあれば誰でも使える。
 実際、魔法は全種族共通の珍しい特殊能力だ。
 ただ魔法使いが少ないように、はっきり言って特殊能力を
 他種族が覚えるのは甚だ珍しい事である。

 「この特殊能力は
  『バイソン族フレイムバイソン系』の特殊能力、
  『フルバトルフレイム』・・・・・・。
  体が発火する特殊能力だ。
  俺は人間だが、何故か生まれた頃からこれを使える・・・。」

 「・・・・・・・・・。」

 センはゆっくりと立ち上がった。