雷太は急いで自分が泊まっているホテルの部屋へ着いた。

 「遅ーぞ?そろそろチェックアウトの時間だぜ?」

 既に荷造りを終えた新太郎が言った。

 「悪いな、すぐ済ませるわ。」

 とはいえ、大分片付けていたので本当にすぐに済んだ。

 従業員に見送られホテルを出る。

 「どうだった?魔法都市は?」

 雷太が聞いた。

 「ああ、色々見れたぜ?
  お前の言ったとおり面白いものも見れたしな。」

 二人は検門を通り外へ出た。



 ボォウ!パキィン!バチバチッ!



 「そういえばお前どこ行ったんだよ?
  俺の案内なしだったから地図でも使ったか?」

 「まあ、そんなところだな。
  どこ行ったかは後で詳しく教えてやるよ。
  ・・・・・・まあ、今は・・・・・・雷太!」

 「ああ・・・。
  ・・・・・・・・・・・・分かってるよ!!」

 二人はそれぞれ別の方向へ地を蹴った。



 ゴォウ!



 空から突然火の塊が落ちてきた。

 が、流石に砂地の為かすぐに下火になり消える。

 二人は上を見た。

 薄青髪の男と白髪の女。
 彼等が下へゆっくりと降りてくる。

 「てめえら・・・よく避けたなあ?」

 薄青髪の男が地に足をつけ言った。

 「まあ、そりゃあな。」

 新太郎が静かに返す。

 「エネルギーを発しすぎなのよあなたは。」

 「うるせえな。仕様がねえだろうが。」

 傍から見ると薄青髪の男と白髪の女の仲はそう良くないらしい。

 雷太はその隙に魔力を集中する。

 「お前等・・・・・・何者だ?」

 「ああ、そうだ。死の餞には殺者の名はいるだろうな。
  俺の名はエイジニアス・ウィンスコット。PSYの一員だ。
  龍 雷太、お前を殺しにきた。」



  ←今回の一枚(おまけ)。

  ←いっこ前へ。

  ←小説選択へ。