「・・・・・・では、また。雷太さん。
  お見送りは出来ませんが・・・・・・。」

 シーバスが頭を下げた。

 「さようならぁ、雷太さぁん・・・。」

 ウォルフも続いて言う。
 ・・・・・・・・・泣いている。

 《う、うわ・・・。》

 「良いよ良いよ、またな。」

 雷太はウォルフを流して返す。

 「私はあと少しここに残るわ。
  またあそこで会いましょ、雷太。」

 「ああ、嫌でも会えるしな。」

 ミルフィの言に笑って返す。

 「今度会う時は・・・・・・敵同士かもしれないけど。
  出来ればまたね、雷太さん。」

 「御互いに容赦なしな。
  出来れば戦いたくねーけど・・・。まあ、何とかなるさ。」

 リーネはIFP、雷太は組織者。
 敵対するもの同士だが、今は笑顔で別れる。

 「また会ってやろう我が下僕よ。
  光栄に思うが良い。」

 「・・・・・・・・・ま、またな。」

 姫子は最初から最後まで変わらずこうだ。
 まあ、そこがある意味良いところなのだが。

 「次会う時は、更に強き我を約束しよう。
  其れまでの時分、去らばだ。」

 「は、はは・・・。」

 ジェットは真面目なのだが・・・、空回りも多い。
 差し出された機械性グローブを着けたままの大きな手を、
 雷太はしっかりと握り返した。

 「じゃあ、またな!」

 皆と別れ、雷太は宿泊先のホテルまで急ぐ。



 「・・・・・・。(あ゙〜・・・ちくしょう・・・。)」

 漆黒の闇。
 魔力という拘束具。
 口さえ動かせない。

 「・・・・・・・・・。
  (ジェット・・・あの野郎何を考えてやがる・・・。
   だから反対したんだよ俺は・・・・・・。
   まあ、『あの男』の事だ・・・。間違いなど起こす事など無い・・・か。)」

 瞬きは許されている。
 その目が笑う。

 「・・・・・・・・・・・・。
  (俺は『あの男』を待っている・・・。
   『あの男』ならきっと何とかしてくれる・・・。
   そしてこの欲望に塗れた世界を滅ぼす・・・。
   くっ・・・くくくくく・・・。
   フハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!)」