皆引いている中、姫子が前に進み出た。



 ゴキンッ!!ドォン!・・・ドォン・・・ドォン・・・



 「げっ・・・!?」

 姫子がジェットを殴り飛ばした。

 物凄い力らしく、吹っ飛んだジェットが周りの壁を幾枚か貫通している。

 「ひ、姫子・・・?」

 「・・・ふん、これで十分だろう?」

 「・・・ああ、有難う。」

 礼を言いながらジェットが出てきた。
 流石は拳帝と言われる格闘家、殆ど傷ついていない。

 「と、とりあえずやっと終ったな!皆これからどうするんだ?」

 雷太がフォローに話を振る。

 「雷太さんこそどうするんです?」

 逆にウォルフが雷太に聞いた。

 「俺?俺はもう帰るよ?」

 「え、ええー!?」

 ウォルフが叫んだ。

 「もっと遊びましょうよぉ〜、
  全然どこも行ってないじゃないですか〜。」

 ウォルフが雷太にせがむ。

 「い、いやだから組織で色々あるんだって!
  ってか数日前から言ってただろ?」

 「嫌です!
  まだまだ面白いところが・・・うっ!
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 ウォルフが急に黙る。

 初めてではない為か雷太は素早く覚った。

 背に・・・シーバスの杖が突きつけられている。