「まあ、ここ3年の世界情勢といっても今話せるのはこれぐらいしかないな。
  あと何か分からない事があったら、いつでもいいから適当に質問すれば良い。」

 「あ、それなら1つだけ今聞きたいことがあるんだけど。」

 「何だ?」

 「懸賞金どうなった!?額変わったか?」

 雷太は身を乗り出して聞いた。どうやらそうとう気になるらしい。

 ちなみに、この世界の大抵の組織所属者、そして悪人には懸賞金が掛けられている。

 《要するに、そいつぶっ殺すか捕まえればもらえる金って事です。》

 「・・・ああ、それなら既にプリントアウトしておいた。まあ、見ておけ。」

 クロは机の中から一枚の紙を取り出した。

 《A4です。》

 どうでもいい。

 雷太はその場で見た。



 ・氷上=P・クロ・・・・・・・・・4000万R

 ・ヴァン・V・A・・・・・・・・・・・4000万R



 「クロとヴァンさんは変わってないな・・・。」

 取り合えず今のところはヴァンの事は流してほしい。

 《・・・・・・・・・・・・。(適当だな。)》



 ・龍 雷太・・・・・・・・・・・・・300万R



 「ぐはっ・・・!お、俺も変わってねえ・・・。」

 「当たり前だろ。お前全く何もやってねえじゃねえか。」

 クロが呆れたように見る。

 ちなみに一応書いておくが、この世界の通貨単位は『R(ルク)』である。
 1R=0.9998円だ。

 雷太は最後の一人を見た。



 ・乾 新太郎・・・・・・・・・・・1250万R



 「なにいいいぃぃぃぃ!!し、新太郎が1250万〜〜〜!??」

 《乾 新太郎は龍 雷太の親友である。》

 「うるせえっ!あんな奴親友じゃねえっ!
  ・・・・・・なぜだクロっ!?あいつ俺と同じ300万だったじゃん!?」

 クロは冷静に答える。

 「ああ、それなら仕方ないだろう。あいつは個人で色々やっていたからな。」

 「・・・・・・個人???」