と、ミルフィが前に進み出た。

 「あんたねえ・・・・・・。
  一々クズクズと・・・・・・うっさいのよ!!
  超高等大地魔法『山抱地娘(パールヴァティー(parvathi))』!!」

 彼女の両腕から魔法が放たれた。

 しかし標的はクライヴではない。

 魔道封印−アテリア−だ。

 魔法は魔道封印−アテリア−に当たったかと思うと、
 まるで吸い込まれるように流れていく。

 そう、これが魔道封印−アテリア−の使い方なのだ。
 直接魔力を注ぐのではなく、魔法を当てる事で魔力を注ぐ。
 実際、こちらのほうが魔力を直接出ないのでリスクも低いのである。

 次はリーネが前に出た。

 「魔導士としてもIFPとしても・・・、
  あなたを解放するわけにはいかない・・・!
  超高等付加闇魔法『蝙蝠悪牙(カマソッソ(camazotz))』!!」

 小銃から凄まじい闇魔法が銃弾と共に放たれ、
 魔道封印−アテリア−に魔力が流れていく。

 「ほう・・・?中々じゃねえか・・・。」

 クライヴは未だ不適に笑っている。

 ちなみにミルフィとリーネは魔法を放ったままだ。
 封印が完了するまでは放ち続けなければならない。

 莫大な魔力消費。
 これも、第一級魔導士でなくてはならない理由の一つだ。

 「ふふん♪一々言が多い下僕だ。
  超高等金属魔法『楽園鉱国(クシャスラ(kshathra))』。」

 「う・・・お・・・!?・・・中々やるじゃねえかドS姫様。」

 姫子の魔力はクライヴにも少々予想外だったらしい。

 「口が減らんなあ・・・。
  ならもっと注いでやろう。・・・・・・ほれ、ほれほれ!」

 《・・・・・・か、完全なドSだ・・・。》

 ミルフィとリーネはしゃべらない。
 と、いうよりもしゃべるどころではないのだ。
 これだけの魔法、一瞬でも魔道封印−アテリア−から外すと大惨事間違いない。
 そもそも余裕でしゃべっている姫子が異常だと思ったほうが良い。