人気の少ない郊外を歩いて行く。

 目に前には、かなりの大邸宅。
 魔法都市:ルーン・シエイアでは一番の大きさらしい。

 そこへ雷太は勝手に入っていく。



 大邸宅の書斎。

 男が一人で何かを書いている。

 と、扉が静かにノックされた。

 男は返事をしない。扉も開かない。

 数分後、男はようやく返事をした。

 「・・・・・・入れ。」

 静かに扉が開き、使用人が入ってきた。

 「失礼致します。
  旦那様、龍 雷太様が御見えになっております。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 今は忙しい。普通なら行かない。
 ただ、あの者ならば話は別だ・・・・・・。

 「すぐに行こう。
  ・・・・・・食堂で待たせておけ。」

 「畏まりました。」

 使用人は静かに出て行った。

 やがて、男は立ち上がり、部屋を出た。



 「おいっすウオルター!元気か?」

 食堂に入ってきた男に、雷太は元気良く声を掛けた。

 「ああ、お前も元気そうだな、雷太。」

 お互いに向かい合って椅子に座る。