少々時が経った。
 既に2時は過ぎ、3時が近くなっている。

 「おっそいわね・・・・・・。
  本当に来るの?『鉄姫』。」

 ミルフィが雷太に話しかけた。

 「ああ、そのはずなんだが・・・・・・。」

 「まあ、あの人なら分かるけどね・・・。
  なんたってあの性格だし・・・。」

 「ああ・・・・・・。」

 ウォルフが言い、雷太が返す。

 「もしかしたら、来ないかもしれないなあ・・・。」

 一瞬微妙な空気が流れた。

 「ふん♪中々言うではないか?」

 全員がはっとして声のした方を見る。



 バンッ!!



 勢い良く障子が開けられ、金髪の女が現われた。

 「やあ、下僕共。
  少々遅くなった事は詫びてやろう。」

 「いきなり来て言うわね・・・。
  第一私達は下僕じゃないわよ!」

 ミルフィが即行で返した。

 「だから詫びている。
  それ以上に文句はあるまい?」

 「おおありよ!」

 「ま、まあまあ。
  とりあえず座ろうぜ?」

 雷太が焦って二人を制した。
 二人は渋々という表情で座る。



 彼女の名は『金城 姫子』。
 19歳の背が高くスレンダーな美人で、髪は金髪。
 もちろん第一級魔導士で、通称は『鉄姫(てっき)』である。
 ただし、もう既に分かるかもしれないが、彼女は典型的な女王気質。
 はっきり言ってかなり付き合いが難しいと言えるだろう。