「炎魔法『ヤイバ』!」

 もう一人の手から炎の塊が飛び出した。

 「ちょっ!お前!!?」

 「がっ!?」

 砂熊に炎が直撃した。
 ・・・・・・・・・金髪の男を巻き込んで・・・。

 フードの者はぽかんとしているが、
 もう一人、オレンジ髪の男はガッツポーズを取った。

 砂熊はゆっくりと倒れる。
 死んではいない。かつてのラドクリフと同じ状態らしい。

 一方、金髪の男は・・・・・・。

 「てめえ!俺巻き込むんじゃねえよ!!」

 文句を良いながら歩いてきた。
 両腕に火が付いたままだ。熱くないのだろうか?

 「へっ!ざまあ見やがれ。」

 オレンジ髪の男がしてやったりと笑う。

 「ちっ・・・。・・・・・・大丈夫か?」

 金髪の男は腕の火が消えるとフードの者に手を差し出した。

 「あ、おおきに・・・。」

 フードの者は立ち上がった。
 背は彼らより高く、180cmほどあるようだ。

 「自己紹介が遅れて悪かったな。俺達は――――――

 「龍 雷太さんに、乾 新太郎さんでっしゃろ?」

 「!・・・知ってるのか?」

 《小猿はともかく、新太郎まで知ってるなんて・・・・・・何者だ!!》

 「「てめっ!ユウ!!」」

 「お二人とも有名やし、
  『ヤイバ』使えるのは雷太さんだけって聞いてるさかい。」

 「確かに、俺だけらしいな・・・・・・。
  何故かは知らないけど。」

 「で、お前は?」

 新太郎がフードの者に聞いた。

 「あ!せや!!」

 その者はいそいそとフードを外した。

 長めの金髪に整った顔。
 そしてその左頬には『月』のような形の刺青がある。

 「わい、『真(しん)』っていいますねん。
  ほんま助かったわおおきにな〜♪」

 《小猿達よりも断然格好良い!》

 「「やかましい!」」