「で、真(しん)、お前はなんでここにいたんだ?
  こんな砂漠のど真ん中にいるって珍しいぜ?」

 新太郎が聞いた。

 「ああ、わい『魔法都市:ルーン・シエイア』に行くところですねん。
  わい魔法使えへんから歩いて行こう思て。
  ・・・・・・あんさん達こそ、なんでワープとかで行かへんの?」

 今度は逆にシンが聞いた。

 「ああ、こいつが使いたくないって言うんでな、
  仕方なく砂漠越えて歩いてるんだよ。全く・・・・・・。」

 新太郎が雷太を親指で指差してため息をついた。

 「しゃ、しゃーねーだろ?魔法都市着いたら
  しゃれにならんほど魔力使うんだから・・・。」

 《小猿は痛い子!》

 「脈絡の無いところで意味分からん悪口言うな!」

 「まあ、行き先は一緒ってわけか・・・・・・。
  どうする?一緒に来るか?」

 「構へんなら、頼みますわ。
  わい滅茶苦茶弱いさかいに・・・。」

 真(しん)が笑顔で言った。



 こうして、ひょんな事で出会った三人は歩く・・・。





 バチ・・・・・・バチバチッ・・・



 遥かなる上空。

 彼ら三人を見つめる影。

 空中であぐらをかき、見下ろす男。

 その膝元は、蛍光ピンクに光っている・・・・・・。



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