「そう・・・まあ良いけど、強いのそいつ?
  弱い格闘家のお守なんて嫌よ?何が起こるか分からないし・・・。」

 「ああ、それなら大丈夫。」

 雷太はニヤッと笑った。

 「あいつ、めっちゃ強えから。」

 ミルフィはちょっとびっくりした。
 雷太がそこまで認めている格闘家・・・。
 乾 新太郎はそこまで強いのだろうか?

 「そう、なら良いわ。」

 「ああ、じゃあ魔法都市で会おう。」

 やがて、二人は別々の道へ分かれた。



 「あ〜・・・・・・やだやだ・・・。」

 自分の家でテーブルにあごを乗せてだらけ、ミルフィは愚痴を言った。

 「何がそんなに嫌なのさ?」

 そう聞いたのは若い男だ。



 彼の名はシュルブ・ルスト。
 エクセス某図書館の館員を勤めており、正に本の虫だ。
 おとなしく真面目であり、暴走しがちなミルフィのブレーキ役でもある。
 またミルフィの彼氏でもあり、付き合いは長いらしい。
 ちなみに、17歳で髪は深緑である。



 「暇が嫌いな君にしては珍しいね。」

 本を読みながらシュルブが言った。

 「そりゃあ、暇は嫌いだけど・・・・・・。」

 ミルフィはテーブルをバン!と拳で叩いた。

 「それ以上にあいつが大っっっっっ嫌いなのよ!!」

 「はいはい、テーブル壊さないでね。」

 シュルブはちら見で、テーブルの安全を確認する。