「全く!考えただけで腹が立つわ!」

 「・・・・・・でも、封印が解けると大変なんでしょ?」

 「・・・・・・・・・そうなのよねえ・・・・・・。」

 ミルフィは再びテーブルの上にあごを乗せた。

 「・・・この本には載ってないんだけど、
  何で封印役が第一級魔導士なの?」

 「あ〜・・・色々あるのよ・・・・・・。」

 「色々って?」

 「・・・・・・しょうがないわねえ・・・。」

 ミルフィは面倒臭そうに顔を上げた。

 「まず、当然『ジョー・ディヴィル』は動かない。
  ・・・・・・これは分かるわね?」

 「うん。」

 「『大魔剣士:氷室 秋水』は行方不明だし、
  零魔導士は一体誰か自体が隠されているのよ。
  そういう秘密主義のやつらが多いんでしょうね。」

 「なるほど・・・・・・。」

 「つまり、動けて判明してそれでいて最高の実力を持つ
  私達第一級魔導士が適任ってわけ・・・・・・解った?」

 「うん、良く解った。」

 ミルフィはため息をついた。

 「でも、最悪の場合は、
  きっとジョー・ディヴィルでも出てくるでしょうね・・・・・・。
  封印が解けたらとんでもない事になるから・・・・・・。」

 「つまり、それほど恐れられている・・・・・・。」



 魔人 クライヴ・キーファー



 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 少々沈黙が落ちた。

 ・・・・・・・・・・・・・・・が、

 「あ〜、もう考えるのもやんなるわ!
  買い物行くわよ。付き合いなさい。」

 「はいはい。」

 二人は席を立ち、準備を始めた。



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