「お、リーネじゃねえか今日も可愛いな。
  デート行かねえ?」

 「中将・・・・・・説得力が無いですよ・・・。」

 ちなみに白部は相当の女好きで、常に女性に声を掛けている。
 ただ、何故か女性の評判は悪くない。むしろ、非常に良いのだ。

 激甘煎餅をかじりながら白部はからからと笑う。
 と、煎餅の袋が空になったようだ。
 白部は服の中からまた何かを取り出した。
 激苦チョコレートだ。

 「リーネ食わねえ?ってかデートしねえ?」

 「え、遠慮しておきます・・・、両方・・・。」

 リーネは目をそらして答えた。

 「そうか?残念だ。」

 そう言うと白部の目は神谷に向けられる。

 「お前は帰れ!!」

 「い、いえ・・・・・・しかし・・・。」

 「あ〜やだやだ、この真面目っ子神谷君はもう・・・。
  おい、ヴィーヴァー、こいつ連れて帰ってくれよ。」

 「ヴィ、ヴィーヴァー・・・!?」

 「俺達の事ですか!?」

 ヴィースとヴァースが驚いて聞く。

 「ビーバーみてえ、ぎゃはははは!
  とりあえず、神谷お前帰れ!傷治ってねえだろ。」

 「いえ・・・・・・・・・。」

 皆白部のペースに乱されている。
 こういう超適当なノリの人だから少々困る。

 「しかし、正義を背に掲げる者が、火傷如きで休んでいては・・・。」

 「てめえ・・・俺の言う事聞けねーのか・・・?」

 白部の額に青筋がはしる。

 「申し訳ありません。しかし、
  己の正義を貫く事こそが俺の正義・・・。」

 神谷の言葉を聞くと、白部は携帯を取り出した。

 「あ〜、めんどくせえ、・・・・・・。
  ・・・・・・・・・『レッド』呼ぶわ。」

 「「「「!!!!!??」」」」

 その名を聞いた途端、空気が一瞬固まった。