「た、大佐!?どうしたんですか?」

 リーネが神谷に駆け寄った。
 神谷は立ち止まって言う。

 「いつもまでも休んでいられないのでな。
  休みを切り上げて出勤させてもらった。
  会議は終わったようだな・・・・・・残念だ。」

 「ざ、残念じゃないですよっ!」

 リーネが慌てて言う。

 「全然傷治ってないじゃないですか!
  家でゆっくり寝てて下さいよ?」

 「いや、そういうわけにもいくまい。
  正義を背に掲げる者が、火傷如きで休んではいられないだろう。」

 「そ、そんなぁ・・・・・・。」

 リーネの目にうっすら涙が浮かぶ。

 神谷は少々たじろいだ。

 「う・・・・・・、しかし・・・。
  ・・・・・・・・・・・・!!?」

 神谷は目を見開いた。
 廊下の向こうから、誰かが走ってくる。

 「てめええええええ!!!
  何してんだコラああああああああああああ!!!!」

 その人物は神谷に叫びながら飛び蹴りをかました。
 思いっきり神谷の顔に蹴りが入る。

 「ちゅっ・・・中将!?」

 中佐三人は同時に声を上げた。

 「なに女泣かしてんだコラぁ!!
  ついでに何ここに来てんだコラ!」

 「・・・・・・済みません・・・しかし・・・。」

 神谷は何事も無かったかのように返答する。
 実際、彼の顔には傷一つ付いていない。

 「しかしじゃねえよ。良いか?
  一に甘味、二に辛味、三に苦味、四に渋み、五に酸味だ!
  つまり女を泣かすなこのヤロー!!」

 「・・・・・・全く意味が分かりません・・・。」



 彼の名は『白部 京介』。
 背は高めで、年は29歳。
 髪は短めの銀髪で、IFP空軍部中将の座についている。
 能力は不明だが、かなり強いらしい。
 趣味は食べる事で、常に何かを食べてはいるが、
 何故か激甘や激辛など、妙なものを好むようだ。
 ただし、体型は普通で、太ってはいない。