上官らしき者は続ける。

 『此方には相当数の
  銃撃部隊、抜刀部隊、魔法部隊を揃えている。』

 氷鬼ティノスは面倒臭そうに背伸びをする。

 『いくらお前が世界最高額賞金首、
  そして世界最悪の犯罪者であろうと流石に敵うまい。』

 氷鬼ティノスは面倒臭そうにあくびをした。

 『氷鬼ティノス!お前を逮捕する』

 「逮捕?・・・処刑の間違いだろ馬鹿が。」

 氷鬼ティノスは面倒臭そうに言った。

 『何だと!?』

 「お前らなあ・・・俺に敵うと思っているのか?」

 氷鬼ティノスは周りを見回して言った。

 IFP兵達は答えない。

 「全く・・・命知らず共が・・・。
  くくく・・・・・・はははははは・・・・・・!!」

 氷の般若面の奥で笑っている。

 これだけのIFPの軍勢に囲まれて・・・。・・・普通の神経ではない。

 「俺様、氷鬼ティノスが・・・お前等に負けるとでも?
  こりゃあまた分不相応な夢を見る馬鹿がいたものだな・・・ハハハハハハ!!!」

 氷鬼は面を左手で抑え上を向いて大笑いする。

 IFP兵達は動じないが、多少苛立ちを覚えているようだ。

 と、突然氷鬼の笑いが止まった。

 静かに左手を下ろす。



 「じゃあ・・・・・・殺ろうか。」



 ゴオゥッ!



 身の毛もよだつ殺気が氷鬼から噴出した。
 突然の事にIFP兵は動揺を隠せない。