ある山の雪原。
 男は軽やかに歩く。



 「いたかっ!?」

 「いいえ!見つかりません!」

 厚い服に身を包んだ者達が集団で動いている。

 統率は綺麗に取れており、
 陣形を乱すことなく集団は進む。

 「いました!!奴です!!」

 「取り囲め!!!」

 一人が何かを発見すると、
 上官らしき者が瞬時に指示した。

 彼らの羽織にある文字。
 正義の三文字『IFP』



 IFPの集団は一箇所に集まり始めた。

 その形は円形だ。

 一人の男を取り囲んでいる。

 その男、薄青髪に般若の氷面。

 その男、世界最悪の犯罪者。

 その男、・・・・・・人外なり。



 上官らしき者が拡声器で呼びかけた。

 『お前は完全に包囲されている!
  神妙にお縄につけ!氷鬼ティノス!!』

 男は微妙にだが動いた。

 どうやら、笑っているようだ。

 「・・・・・・・・・・・・ああ?」