「え?全弾あの小さな林檎に命中したんですか!?」

 雷太は驚愕した。
 そもそも的自体が見えているのか・・・?

 「うん、双眼鏡で見てみて〜。」

 そう言われ、雷太は双眼鏡で啓太の方を見た。

 「ん〜・・・・・・・・・あっ!!!
  林檎の点があった箇所に穴が開いてる!!」

 「でしょ〜♪」

 「・・・・・・でも、一つしか穴無いですよ?」

 「・・・?全部あの穴に通したんだよ?」

 「え!??マジっすか!?・・・・・・・・・マジで?」

 雷太は驚愕した。無理はない。

 「うん♪」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・。
  (やっぱりこの人も只者じゃねーな・・・。)」

 啓太はというと、全く動じずに本をゆっくりめくっている。

 雷太はちょっと考えた。

 「でもデュークさん、もし万が一にでも外したら、啓太君が危ないじゃないですか。」

 「ん?・・・ん〜・・・・・・。」

 デュークは少し考えていたが、にっこりと笑った。

 「大丈夫だよ、啓太なら。
  なんなら、23発外して見せようか?」

 「え?良いんですか?」

 「大丈夫大丈夫。ほら、双眼鏡で啓太見てて。」

 「は、はあ・・・。(ほんとに大丈夫か・・・?)」

 疑いつつも雷太は双眼鏡で啓太を見た。
 啓太はこちらを見ることは一切無く、本を読み進めている。

 「啓太の眉間狙うからね〜♪」

 「はい。・・・・・・え゙!!?」