眉間とは眉と眉の間。
 銃弾が当たれば間違いなくお陀仏だ。

 「ちょ、ちょっとデュークさん!待っ――――――



 ドドドッ



 雷太の言葉も待たず、銃弾は発射された。

 雷太は慌てて双眼鏡を構えなおす。

 「・・・・・・。(・・・・・・もう当たるっ!)」

 先ほどの時間から計算して銃弾が届く瞬間、
 啓太はゆっくりと腕を上げた。

 「・・・・・・・・・ん?」

 と、雷太が言葉を漏らした瞬間には、
 啓太のそれぞれの指と指の間に、三発の銃弾が収まっていた。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 驚きのあまり、雷太は声が出ない。

 そして啓太はゆっくりと顔を上げると冷たい視線をデュークと雷太がいる方に向け、

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はずれ。」

 と言うように口を開きまた本に戻った。
 銃弾は既に地に落とし捨ててある。

 「ね〜、すごいでしょ啓太♪」

 デュークがにっこりと笑って雷太を見る。

 「は、はあ・・・・・・そうっすね・・・・・・。(ったく何者なんだよあの子供・・・。)」

 「ところで雷ぷ〜、何か走ってたみたいだけどどうしたの?」

 「・・・・・・あ!今日は調べもので来たんだった!
  じゃあまたね、デュークさん!」

 「うん、じゃ〜ね〜♪」

 雷太はクロの家の玄関に向かい再び走り出した。



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