ラドクリフは雷太に目を向けた。

 「しかし、まさか鉄人大佐を倒すとはな・・・。
  お前・・・・・・とんでもねえな。」

 「・・・それ、褒めてんのか?」

 雷太が聞く。

 「逆だ。お前がそこまで馬鹿だとは思わなかった。」

 「てめっ・・・!!」

 アズキもあきれたように言う。

 「まったくだよ。あんたは全世界に喧嘩売ったんだからね。
  IFPも黙っていないだろうさ。」

 「ああ・・・、『ポン』さんも多少だが怒ってたな。」

 ラドクリフの言葉に、アズキが聞く。

 「『ポン』ってあいつかい?
  『修験者:陣内 宇宙(じんない そら)』?」

 「はい。ただ、本人は『ポン』と名乗ってますがね。」

 「誰それ?」

 雷太は口を挟んだ。

 アズキとラドクリフは驚いて雷太を見る。

 「まいったね・・・・・・あんた本当のあほかい?
  ラド、説明してやりな。」

 「はあ・・・。IFPの最高権力者(仮)兼最強実力者だ。
  まさに無敵。俺や大佐の比じゃねえよ。」

 「へえ〜・・・。」

 「でもあんた、その『ポン』に可愛がられてるそうじゃないか?」

 「そういえば、羽織が変わってるな。
  階級上がったのか?」

 ラドクリフは羽織を見た。

 「まあな、今は一応『一等兵』だ。三等兵よりは少し上だな。
  『ポン』さんはいい人だ。この後も、10分後に会うことになってる。」

 「へえ〜、もう時間がねえじゃねえか。」

 「ああ、悪いがそろそろ去らせてもらう。
  元々一杯飲むために来ただけだしな。
  アズキさん、勘定は置いていきますので。」

 「いいよいいよ、雷太が払うさ。」

 「何ですと!?ま、待て―――!!」

 アズキはからからと笑った。

 ラドクリフは立ち上がり、挨拶をして自動ドアに歩いて行く。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 アズキはそれをじっと見つめる。

 「・・・・・・?アズキさん?」

 雷太は不思議に思い声を掛けた。

 「雷太、悪いね。あたしも行くよ。」

 「え?・・・ああ、うん。」

 アズキは駆けて出て行った。

 雷太は不思議に思いながらも、コーヒーを飲み干す。

 「・・・・・・ってうわ!あいつら本当に金置いていってねーよ!!?」

 ラドクリフテイストは高い。

 《・・・・・・・・・・・・ば〜かっ!》



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