ラドクリフはエクセスの路地裏にいた。

 ここで陣内と待ち合わせているらしい。

 「・・・・・・あと2分か・・・。」

 時計を見ずにラドクリフは言う。
 陣内は時間きっかりにやってくる。

 「・・・ラド・・・・・・。」

 後ろで声が聞こえた。
 ラドクリフは振り向く。

 「やあ、アズキさんどうしたんです?
  やっぱりお金払いますか?」

 「・・・・・・ラド・・・・・・。」

 「でも、そろそろ『ポン』さんが来るので、出来れば次に――――――

 「ラド!!!」

 アズキは叫んだ。

 ラドクリフは黙る。

 アズキはラドクリフをじっと見る。

 「・・・・・・あんた・・・。」

 風が吹いた。
 木の葉が舞う。

 「あんた・・・・・・もう・・・、
  ・・・・・・もう、人間じゃないね!!?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」







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