ここはどこか。

 広大な草原を、二人の者が歩いている。

 一人は男。もう一人は仮面をし、白衣を着たもの。

 「・・・・・・聞いたか?」

 仮面の者が、低い声で男に聞いた。

 前を歩いていた男は振り向き、微笑う。

 「組織の事ですか?もちろん、拙者は聞きましたよ?」

 「・・・・・・・・・・・・。」

 「なに、気にする事は有りません。
  所詮は始まり、いずれ終わります。
  ・・・さあ、参りましょう。『アンセスタ』殿。」

 「・・・・・・・・・ああ。」

 二人は歩く。
 終焉へと。



 「・・・さて、とうとうお動きになられましたねえ・・・。」

 空を飛ぶ巨大な飛行船。
 その一室で男はつぶやいた。

 真っ白な服。青髪。
 相当に高い背。そして頭には余りにも長い白いシルクハット上の帽子。

 彼の名はシヴィウス。全てを持ちし者。

 「まあ、計画通りです。
  一瞬の曇りも無い。実に素晴らしい。
  どうです、読者さん?このまま終わりまで、お付き合いになられますか?
  全てはあなたの気分次第なのですがね。・・・フフフ・・・・・・。」

 シヴィウスは右人差し指をくるっと円を書くように動かした。

 飛行船が一瞬で消える。

 組織大戦当初から設立し、
 世界に辛くも影響を与え続けている。

 通称、『天空の支配者』。

 “謎の組織”『Sky Zenith』。



 「馬鹿な・・・・・・・・・。」

 ソフェヴァラはあっけに取られた。

 「・・・・・・世界中の・・・組織が・・・?」

 報告兵は慌てながらも敬礼を崩さずに続ける。

 「はい!
  『ブラックメン(Brrack Menf)』を始め、
  『天道−God Way−』、『G・U・N』、『メタルガーディアンズ』、
  『エンシエントレジェンズ』、『魔軍』、『鬼神(きじん)』、『機神(きのかみ)』、
  『天魔四天王』、『魔空文字軍』、『ネバーランド』、『八星(ユイットエトワール)』、
  『7EVENS HEAVEN(セヴンスヘヴン)』・・・・・・・・・。
  ・・・・・・全ての大きな組織が・・・・・・活動再開を表明しました・・・!!」

 ソフェヴァラは呆然とした。
 ペンのインクが、書きかけの報告書にしみていく。
 龍 雷太の事は聞いていたが、まさかこの様な事になるとは・・・。

 「・・・・・・・・・。・・・・・・!
  ちょっと待て・・・・・・。
  てめえ、さっき『全て』って言いやがったな・・・。・・・・・・・・・まさか!!?」

 「・・・・・・・・・はい・・・。」

 兵は静かに肯定した。

 それを聞き、ソフェヴァラは柄になくぞっとする。

 「・・・あの『五大組織』も動きました・・・。
  『天空の支配者:Sky Zenith』。
  『No.3の組織:アーヴィシヴル・ハザーズ』。
  『No.2の組織:PSY(サイ)』。
  そして・・・・・・・・・そして・・・。」

 兵は震える。ソフェヴァラも青くなる。

 「『世界最凶組織:D』。
  『世界最強組織:天空地海轄(てんくうちかいかつ)』まで!!」