ここは別のIFPの建物。

 その部屋の一室で、見るからに不機嫌そうな男がものを書いている。
 どうやら、報告書らしい。

 「ああめんどくせえクソが!今時報告書なんて書かなくてもいいだろうによ!
  そのアナログ精神!まったく尊敬するぜ腐れきったピザのようになあ!」

 男は、どうやら見かけどおりの人物らしい。

 その部屋の扉が、突然開かれた。

 「ソフェヴァラ少将!!」

 男は不機嫌に兵を睨む。

 「うるせえよ、殺すぞ!
  しかもてめえ敬礼忘れてんじゃねーか、なめてんのか?ああ!?」

 「す、すいません・・・!」

 兵は急いで敬礼した。
 最も、これで彼の機嫌が直るのであれば苦労はしない。

 と、兵は用件を思い出したらしく、また慌てた。

 「し、しかし大変なんです・・・・・・組織が・・・いや世界が・・・!!」

 「・・・・・・・・・あ!??」



 ここはまた別の建物。

 その部屋の一室で、二人の男が話している。

 「・・・・・・分かった、報告感謝する、『ディス』。
  ・・・・・・ただ、残りの『四大運命(フォー・カーズ)』には俺から伝えておこう。」

 ディスと呼ばれた男は不思議そうに聞いた。

 「・・・?それでいいのですカ?『ヴァレット』。」

 『ヴァレット』と呼ばれた男も返す。

 「ああ。その方が速い。
  それに、『アルス』、『ロイ』はともかく、『レイラ』は話しづらいだろう?」

 「・・・・・・・・・確かニ。」

 やがてディスは部屋を出て行き、部屋にはヴァレットだけになる。

 彼は静かにため息をつき、ワイングラスを口に運んだ。

 「・・・・・・馬鹿な男だ、氷上=P・クロ。
  弱小のくせにでしゃばるからそうなる。
  ・・・・・・そろそろ我らも動くべきか。
  俺たち、“超巨大組織”『アーヴィシヴル・ハザーズ』も。」

 ヴァレットはワインを飲み干した。

 カシャーンッ!

 ワイングラスはテーブルに落ち砕けた。

 ヴァレットの姿はどこにもない。・・・・・・消えた。