「連絡は俺がしておこう。直接戦ったものの方が分かる。」

 神谷の言葉に、ヴィースは頷いた。

 「失礼だが、その必要も無いな。」

 どこからか、声が響いた。

 神谷でもヴィースでも、秋葉でもない。

 3人は各々に辺りを見回す。

 ガチャリ・・・

 突如、空間が扉のように開いた。
 そして、現れたのは・・・・・・。

 「・・・!!」

 3人は一斉に敬礼する。

 「その必要は無い。・・・・・・大体は全て聞き感じていた。」

 男が言った。

 「何故ここに・・・?『陣内 宇宙閣下』。」

 神谷が聞くが、陣内は無視して言う。

 「・・・その名で呼ぶな。・・・・・・『ポン』でいい。」

 「・・・済みません。」

 神谷は目を伏せた。
 まあ、多少不満疑問があるのも無理は無い。
 彼の名前の読みは『じんない そら』。『ポン』の一文字も入っていないのだ。

 陣内は続ける。

 「今も言った通り、全て聞き感じていた。
  御苦労だったな、秋葉軍曹、神谷大佐。
  特に神谷大佐は『本気を出せない』とはいえ、よくやった。」

 「いえ・・・。」

 二人は敬礼で返す。

 「・・・・・・!?(あの強さで『本気を出せない』・・・・・・のか?)」

 ヴィースは信じられない。

 「ヴィース中佐も、よくどちらにも手を出さなかった。
  どちらに手を出しても、問題になっていただろう。」

 「いえ、当然のことです。」

 ヴィースは冷静を装って敬礼で返した。

 「既に修復舞台を呼んでいる。早急に修復させよう。
  しかし、・・・・・・・・・・・・・・・。」

 陣内は雷太が出て行った入り口、壊れた鉄壁の方を見た。

 「・・・よくやってくれたものだ、龍 雷太。
  いずれにしろ、・・・・・・・・・潮時だな。」