一人の男と一人の女。

 狭い部屋に二人。

 息が荒い二人。

 「・・・どう・・・?感じる?」

 男が聞いた。

 「・・・・・・うん・・・。」

 女が答える。

 「予想以上だ。」

 その言葉を聞き、男は笑った。

 「全くだよ。彼が出てくるのは予想していたけどね。」

 女も笑う。

 「ボクも予想してたけど、ここまでとは・・・。」

 男は、一時的に得物を納めた。

 「彼は特殊な魔導士だからね。
  何たって、僕でさえ使えない魔法を持ってる。」

 女は少々顔をしかめる。

 「ヤイバか・・・。ボクも使えない。・・・『この能力』をもってしても解析不能だった。」

 「まあいいさ。僕たちには敵わない。」

 男と女は同時に、再び刀を抜いた。

 「そう、ボクたちには敵わない。」



 バリッ・・・バリバリッ・・・



 その刀を、魔力が覆う。

 一方の名は『3号』。もう一方の名は『神』。


 「「我ら、組織『天空地海轄』、そして『零魔導士』には。」」