「・・・・・・なるほど、ニトロメタン水溶液か・・・。」

 「げっ!」

 馬鹿な、・・・・・・臭いか?

 「俺は化学が好きでな。・・・・・・行くぞ。」

 神谷は拳を目の前に構えた。

 「酸素30%、水素60%、二酸化炭素&アルゴン&その他10%。」

 神谷の拳から火が噴き出した。

 「なっ・・・!」

 炎・・・・・・まさか!?

 「『空砲・焔』!」

 神谷の拳から、炎の塊が飛び出した。

 しかし、飛ぶ先は雷太ではない。
 下に落ちた・・・・・・ニトロメタン水溶液だ!



 ドォオン!



 爆発で煙が舞う。
 それも黒煙。まったく見えなくなる。

 「やべっ・・・!」

 雷太はきょろきょろと周りを見回す。
 魔力をためることは忘れていないが。

 「・・・・・・・・・こっちだ。」

 雷太はとっさにしゃがんだ。



 ドォン!



 空を切った神谷の拳が壁を貫通した。

 「あっっっぶね!!」

 と言いながらも、雷太は構える。

 「雷魔法『激震――――――

 「・・・『空砲・斜光』。」



 ズンッ!!



 「がっ・・・!」

 空砲が・・・・・・斜め後ろに飛んできた・・・。